お正月に実家に帰ると、やっぱり雪が積もっていた。
豊橋の冬は寒いけど、私の町の冬は「痛い」。
風が吹くたびに、小さな氷の粒に、体をちくちく刺されるみたい。
私は四季のなかでいちばん冬が苦手。
いくら着こんでも寒いし、外に出るのが本当に嫌になる。
そんな冬を、そんな雪を、家族のなかで唯一満喫しているのが、うちの「犬」。
今年で12才になる。
すっかり年をとってしまったけど、冬がいちばんイキイキしている。
散歩ではかかさず雪の上でゴロゴロするし、大量に雪を食べてお腹をこわしたことも…。
散歩から帰ると、すぐストーブのそばに行って体を温めたり、冷たい水を飲んでブルッと体を震わせたりしているから、けっして寒さに強いわけではないけど、とにかく雪が大好き。
そんなうちの「犬」と、久しぶりに散歩をした。
田舎の特権で、田んぼをリードなしで歩いて行く。
天然のドッグラン。
そんな散歩道に、いつも二人で夕日を眺める場所がある。
そこは、忙しない一日のなかで、一呼吸つけるというか、ちょっと立ち止まれる、そんな場所。
隣では、いつものようにうちの「犬」が、夕日を浴びて雪の上でゴロゴロしていた。
そんな何気ない一時。
あたり前のような一時。
それをまた、胸に抱えられた。
そのことが、涙が出るほど、幸せだった。
何より、うちの「犬」が、かわらず隣でゴロゴロしていることが、たまらなく嬉しかった。
春にはそこに、たんぽぽの花が咲く。
夏には、小さなカエルの子供が跳ねる。
秋には、たくさんのすすきが。
そこに、私と「犬」と夕日。
豊橋に帰る朝。
「元気でいるんだよ。絶対ね」
って頭をなでてきたけど。
実家に帰る楽しみの大半は、彼の存在にある。
次帰ったときも、二人で夕日を見たいなぁ。
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