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中三夏期講座の講義日程が終わった。
二十四日、僕は豊川・二川でフィナーレ。
よく走ったね。
とても、書ききれないけど。とても、言い表せないけど。
七月を思い出す。「いい夏にしよう」と……
それを、果たせたよね。
自分の手を伸ばして、つかんだよね。
MVPの四人、みんないい笑顔だったな。
アヤノ、いつもの伏し目がちな、でもとてもしっかりとした笑顔で、あなたは。
揺るがないね。あなたは、揺るがない。
僕たちがさ、二川校で、ともに一年生だった頃から。
どんな授業も、どんなテストも、あなたの中では頑張るということがもう決まってる。
ちょっと自惚れた言い方をさせてもらうと、それが開拓塾のものであれば、絶対に。
あなたは言わないね、「頑張ったよ」なんて。
あなたは言わないね、「塾が好き」なんて(別に言いたくなったら言っていいんだぜ……)。
簡単に「わかってる」とか言っちゃいけないけど、それでも、アヤノ、僕にはわかってるよ。
あなたがどれくらい強くて、どれくらい頑張っていて、どれくらい塾を好きでいてくれるか。
アヤノ、わかってるよ。
マリモ、迷いというものを一パーセントも感じさせない笑顔で、あなたは。
あなたは、純粋な人だ。
満点取ったほうが、嬉しいよね。名前が一番上にあったら、嬉しいよね。ほめられたら、嬉しいよね。
僕だって、たとえば塾長にほめられたら嬉しい。塾長だって、僕に「さすがですねー」ってほめられたとき嬉しいって言ってたよ(塾長、これって書いてよかったですかね……)。
けれど、どっちがいいかなんてわかってても、なかなかまっすぐに走れなかったりする。
僕たちは人間だから、色々とややこしいんだ。
でもね、あなたはそこに迷いがない。
シンプルに走れる。それは、やっぱりあなたのひとつの才能だよ。
どこまでもシンプルで、自然な頑張り。
それを見ているのが、楽しかった。
コトミ、自分の喜びすら相手に捧げるような優しすぎる笑顔で、あなたは。
あなたが苦しいとき、そこにはいつも「相手」がいるね。
あなたは、百パーセント自分のことだけで悩んだりしない。
変に人に気をつかうわけでも自分を大事にしないわけでもない、ただ、あなたは、人間にちゃんと向き合おうとする。
だから余計につらかったりするかもしれないが、それは、あなたの素晴らしいところ。
嫌な予言みたいになるけど、数学、これからも苦しむよ。
それでも、あなたは必ず戦える。
で、俺たちは、最後には勝つの。
なぜなら?
あなたはホント優しいから、いつものように「なぜならそれが箸本竜也だから」って答えてくれるかもしれないが、違う。違うぞ。
なぜなら、あなたが、スギウラコトミだから。
ヒロノ、照れもとまどいもごちゃごちゃあって、それでも精一杯の笑顔で、あなたは。
話したとおりで、夏期講座が始まるとき、僕には今日の絵が見えてた。
不思議だね。そこに理由がない。あなたが頑張れるのに理由がないのと同じで。
正直、ちょっときつかったね。
どんどん強くなっていくヒロノに、ヒロノ自身がついていくのが大変だった。
でも、ぎりぎりであれ何であれ、あなたはいつも追いついたよ。
そうして、新しいものをつかんでいった。何度も、何度も。
火曜日、ちゃんと話せてよかった。
何もかも順調だったわけじゃない。いつも圧倒的に強かったわけじゃない。
それでも、強さも弱さも笑顔も涙も全部ひっくるめて、あなたの夏は最高だった。
そのことを、忘れないで。どうか。
楽しかったな。
たとえば「努力」とか何とか、君たちはそんなものを振りかざして走ったわけじゃない。
夢中で、やったよね。
見返りを求めるでもなく、効率を追いかけるでもなく、ただ、夢中で。
目の前のひとつひとつに、ただ、勝っていったよね。
夢見るように、ただ、走ったよね。
そんなあなたたちが見れて、よかった。
僕はあなたたちにはなれない。
俺、塾講師で、二十六だもの。
でも、ちょっと、同じ夢の中にいられたかな。
ありがとう。 |