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書き込みありがとう。
ゆっくり休んでよ。
張りつめたまま、あなたは走ってきたもの。
僕の気持ちは、電話で言ったとおりです。
何か、思い出があるな、ももこには。
君は、僕と一緒に開拓塾に入った。
僕が塾講師として生まれて初めて授業をやったクラスにいたのが、君だった。
あの頃、僕はまだ二十三の若者(今だってそうだけど)で、夢中で授業をやって。
塾講師になった僕に初めて「かっこいい」って言ってくれたのも、あなた。
口裂け女が出るのが本気で怖くて、二川校の自動販売機の陰に誰も隠れてないか僕に確かめてほしがった、あなた。
臆病で。
国語は大丈夫だって、何の心配もないって、僕が言ってるのに、「後ろのほうで静かにしてるから」って泣きそうになりながら補習を受けたがった、あなた。
三回目の入試プレの日、電話で「大丈夫」って言ったくせに。
次の日、震える声で「何を勉強すればいいですか」って電話してきた、あなた。
二年前は、とても想像できなかった。
君が、こんなに頑張るようになるなんて。
頑張れるようになったから。
求めるものができたから。
目指すところがあったから。
だから、怖かったよね。
冬期講座、最終日。
僕は色々あって前日から寝てなくて、けっこうフラフラしながら、ギラギラの赤いシャツで二川校のフィナーレに寄って、三輪先生から「ももこが1000ポイントです」って聞いて、教室に走っていって、珍しく私服の君に、右手を差し出した。
君は真剣な顔で、迷わず、握手をしてくれた。
あのとき、自分が塾講師一年目で二川校に入ったときのことを、鮮やかに思い出した。
初めて授業をした日のこと。
初めて君に会った日のこと。
通り過ぎていった二年近い月日を思って、ちょっとクラッときて、でも、とにかく今日、ここでももこに会えて、よかったと。
ああ、俺は今の気分をずっとずっと忘れないんだろうな、と思った。
君と握手をして、別の校舎のフィナーレに向かうまでの道、サングラスを通して見ていた風景を、忘れません。
カーステレオからどんな曲が流れていたのかも、忘れません。
車にどんな感じで陽が差し込んでいたのかも、忘れません。
ももこ、お疲れさま。
もう怖がらなくていいんだよ。
君は頑張って、強くなって、そして、終わったの。
口裂け女なんか出ないから、ゆっくり眠って。
君が開拓塾を選んでくれて、よかった。
謝ったりしないで。どうか。君は、君自身を超えて、頑張った。
ももこ、君がいてくれて、よかったよ。
ありがとう。 |