私事ですが、新しい車を買いました。
新しいといっても40年落ちのオープンカー。FIAT850スパイダー
きっと誰も知らないだろう。
「また、バカな買い物を・・・」と言われると思うのですが、それでいい。
坂は登らないだろう。
オイルは漏れるだろう。
寒い朝はエンジンかからないだろう。
きっと多くの裏切りと失望が待っているに違いない。それがいい。
私の車に対する価値観を変えてくれたのは、9年前に乗っていたFIAT500です。
ルパン3世が「カリオストロの城」で乗っていたカレーマンにタイヤをつけたような車です。
カーブを曲がる際に、遠心力でドアが開いてしまうことが度々ありました。
夏の午後、夕立に見舞われ、窓を閉めようとしたときノブが取れて、窓が閉められませんでした。あまりの雨の激しさに海沿いの路肩に緊急避難。閉まらない窓からポツリと対岸のヨットハーバーのオレンジ色の光を眺めていたことを憶えています。
オーディオなんて当然付いていません。
パタパタとキャンバストップにあたる雨音が何故か懐かしく、小学生のとき、黄色いかさの中で聞いた雨音とオーバーラップしました。
思わぬトラブルが記憶に焼きついて思い出になっています。
ここら辺からかな~ 不完全であるが故に存在する面白さを知ったのは。
不自由な中に自由がある。
ハンドルを握り舵を取っているのにもかかわらず、イーブンのような感覚を受ける。
私が車をいたわり、車も私に応えようと燃料を燃やす。
いつしか道具というカテゴリーを越えて、その鉄の塊は、あたかも体温を持った相棒のように、時に機嫌を損ねたり時にサプライズを演出したりしてくれる。
おっさんになっただけかな?
くたびれた分だけ歩きやすくなったブーツのように、お腹も頭も寛容になっただけかもしれない。
今週末、友と走りに行こう。
現代の車では出会うことの無いカーブを曲がった先に、少年の時見た青い空が見えるといいな。
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