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「さぁ、授業をはじめるぞ。まずは前回の内容の確認からね。古墳時代、大きな古墳を作らせたのはいったい誰だったっけ?」 |
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「大王!」 |
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「そうだったね。大王は後に何と呼ばれる人になるんだっけ?」 |
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「・・・天皇!」 |
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「そうそう。飛鳥時代からは天皇中心の政治が行われるようになったんだよね。この頃の政治は律令という法律に基づいて天皇が中心となってやっていたんだったね。」
「ところで、君は誰のもの?」 |
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「うーん・・・自分のものかなぁ。」 |
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「積極的でいいぞ。じゃあ君が住んでいる土地は誰のもの?」 |
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「えーっと、お父さんかなぁ、お母さんかなぁ。」 |
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「確かにそうだね。自分は自分のものだし、自分が住んでいる土地は自分達のものだよね。実は律令国家ではそんなことも決めなければならなかったんだ。じゃあこの当時の自分や土地っていったい誰のものだったと思う?」 |
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「もしかして、天皇のものだったの?」 |
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「その通り!律令国家では天皇中心の国を作るために、人々も土地もすべて天皇のものだったんだ。このことを公地・公民って言ったんだよ。でも今は自分は自分のものだし、自分が住んでいる土地は天皇のものでも国のものでもないよね。自分で土地を持つこともできるし、なんと土地の売り買いもできるんだよ。」 |
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「今と昔って違うんだ。」 |
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「じゃあここで現在の土地制度について考えてみよう。現在も同じようにすべての土地は誰かが所有しているんだ。君らが新しく土地を手に入れる方法の1つは親から受け継ぐこと。つまり、もし親が死んでしまったら、その土地を子供がもらえるんだよ。でもこれじゃあ、親が死なないと新しく土地を持つことはできないよね。」 |
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「買えばいいじゃん。」 |
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「確かに。そこで考え出されたのが、相続税という制度なんだよ。親から土地を受け継ぐのなら、国に税金を払えっていう制度なんだ。そうすると、払えない人は、土地を手放すことになる。」 |
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「じゃあ、その手放された土地を買えばいいんだ。」 |
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「その通り。土地を持っていない人にとっては、土地を増やせるチャンスってことだね。それじゃあ、今日は奈良時代の土地制度について見ていこう。今と違ってこの時代は、土地は誰のものだっけ?みんなで言ってみようか。」 |
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「天皇!!」 |
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「そうだったね。でも天皇は土地がいっぱいあっても全部自分で耕したりするわけがない。じゃあ、いったい誰が耕したりするの?」 |
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「・・・農民。」 |
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「きっとそうだね。でも農民にとっては自分の土地でもないのに、朝から晩まで働くのもやる気もなくす。そこで天皇が考えたのがこんな制度。班田収授法。テストに出る重要な決まりだ。まずテキストに書いていけ。」
「よし、鉛筆置いて顔上げよう。これは6歳以上のすべての子供に口分田と呼ばれる土地を貸し、分け与えること。自分の土地だったら耕そうと思うよね。じゃあこれを発声して覚えちゃうぞ。」 |
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「班田収授法!」
「口分田!」 |
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「でも天皇はここまでして何を集めたかったのかなぁ?」 |
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「米」
「税金」 |
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「そうだね、積極的でいいよ。国家の力を蓄えるために全国から税を集めたんだろうね。実は農民から集めた税はさっき言ってくれた米だけじゃないんだ。」
「米の他には、布や特産物を納めなくてはならなかったり、兵士となって九州まで行くというようなものもあったんだ。じゃあこれらを黒板でまとめるぞ。書いていけ。書けた子から4つを覚えていこう。」
「よし、鉛筆置いて。じゃあこの当時の農民の暮らしぶりはいったいどうだったんだろう。ちょっと考えてみよう。」 |
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「働いてばっかり。」
「なんだか税金ばっかりで苦しそう。」 |
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「そうなんだ。農民は多くの税の負担をさせられ、またこれらを都まで運ばなければならなかったんだ。宅配便があるわけじゃないしね(笑)。当然歩いて運んだんだよ。」 |
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「うわぁ、大変だ。」 |
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「まだあるんだ、租という税を負担しているのは誰だと思う?もちろん土地を…?」 |
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「持っている人!」 |
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「そうだね、じゃあ口分田をもらえた人って何歳以上だっけ?みんなでせーの!」 |
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「6歳以上!」 |
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「6歳の子って言ったら小学校1年生くらいだよ。想像してみな。そんな子たちが広い田んぼで重いくわを持って米作りなんて…できないよね。今の君たちでも…どう思う?」 |
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「無理、無理。」 |
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「結局、土地を与えられても子どもには無理なんだよね。そうなると土地はあるし税は払わないといけないし、親がなんとかしないといけない。そして収穫した稲を運ぶのもやっぱり親なわけ。」
「しかも、今と違って昔はほとんどの家族が大家族。子沢山!なーんて喜んでいられない(笑)。なぜなら子供が6歳になったら、何がもらえちゃうの?」 |
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「口分田だぁ!」 |
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「そうしたらまたまた増えてしまうのが税でしょ。さぁ、みんなならどうする?」 |
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「うーん、私なら嫌になる。」
「僕なら逃げ出す(笑)」 |
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「うん、うん。でも実は冗談ではなく、本当に逃げ出す家族が出てきたんだ、いわゆる夜逃げみたいな。多くの負担に我慢できなくなって土地を捨てて逃げていったんだ。まぁ、その気持ちもわかるなぁ。そんな家族があちこちに出てきて国は困った。どうして?」 |
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「税が集まらないから」 |
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「その通り、思うようにいかなくなってきたんだ。そこで考え出された制度がこれだ、まずは黒板を書いていこう。漢字に気をつけて書くんだぞ!」
「さぁ、顔上げよう。この制度は農民たちを農村へ帰ってこさせる作戦なんだ。耕した土地がすべて耕した人のものになるって聞いたらどう?」 |
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「自分のものになるんだったら・・・なんか耕すかも。」 |
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「でしょ(笑)。国は、これで農民たちは土地を耕してくれる、農村に戻ってくると思った。だけど問題が起こったんだ。土地って誰のものだったっけ?」 |
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「天皇。」 |
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「耕した人のものになっちゃったら、天皇のものではなくなるよね。この制度を出したことによって何かがくずれたんだ、わかる人?」 |
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「公地・公民。」 |
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「いいぞ!これは非常に大事なことなんだ。テストでは記述式出てくるから公地・公民ということばを使って説明できるようにしておこうね。」 |
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| いつものように、授業の冒頭は、今まで習ってきた内容がしっかり頭に入っているか確認しながら授業が始まっていく。 やはり歴史は流れが大事。 |
| 生徒によって答えは様々。どんな答えが返ってきても、答えた積極性を私たちは大切にします。 |
| ここで現在の土地制度を中学1年生にわかるように噛み砕いて説明します。また中学3年生の公民で履修する相続税の話しもここで触れます。生徒には歴史を教えるだけでなく、今を教えることも大事だと考えています。 |
| みんなで言わせることによって、クラスに一体感が出てきます。 |
| 板書は、色分けすることで大事なところを明確にし、あとで生徒が見返した時に学習しやすい環境を整えることも私たちは大事にしています。 |
| 書かせて、発声させて覚えるべきところはきちんとおさえさせます。覚えさせたら何人かの子に当てて定着の確認をしていきます。 |
| ここで当時の家族の例を挙げ、農民たちが税で苦しんでいたことの説明する。生徒たちは楽しみながらも奈良時代の農民たちの生活を実感していく。 |
| 話の流れの中で、自然と重要語句の定着もはかっていきます。 |
| 自信満々で手を挙げる子、不安を抱えながら手を挙げる子、様々ですが、やはり私たちは手を挙げた積極性を認めてあげたい。そして少しでも生徒の自信につながればと考えています。 |

| このように、歴史をただの暗記を目的の一方方向で授業を展開していくのではなく、生徒に自然と湧き上がる疑問を教師が投げかけ、授業内で極力考えさせていきます。こうすることで、自ら考え、自ら発想し、物事を理解していく。そんな授業を日々考え、実践しています。 |
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